仁比山神社御田舞(2016.4.20) 佐賀県神埼市神埼町仁比山

  仁比山神社は山の神、農業の神を祭神とし、地元の人に「山王(さんのう)さん」と呼ばれ親しまれています。

今年は申の年。12年に1度の大御田舞(県重要無形民俗文化財)が、4月8日から13日間にわたって開催されました。御田舞は、豊作を願い田植風景を表現する「田遊び」と呼ばれる民俗芸能。滋賀県の日吉神社から伝えられたといわれ、約1200年続いています。出演する御田役者」は31名。勅使1名、トゾウ1名、座奉行2名、鼓6名、太鼓2名、田打6名、種蒔1名、代踏1名、鬼舞2名、稲荷1名、稲童6名、鉞渡2名で編成されてます。古くは勅使従者や行事を加えた総勢48名といわれています。
 勅使の指示でトゾウが舞台を3周して舞を促します。座奉行はじめ役者が定位置につき、鼓打が御田歌に合せて鼓を打ち、田打が鍬と扇子を持ち謡います。稲荷が種蒔に福桶を渡すと、勢いよく四方に種籾をまき、再び田打が立って歌に合せて田を打つ所作をし、次に代踏と稲童により、苗代拵えと田植えの所作がなされ、代踏、鼓、稲童により華やかな大空の舞となります。最後は「鬼舞」が演じられます。御田歌にあわせて静の舞から一転して激しい鬼舞となり、床板を激しく打ち砕き病害虫や悪霊を払い、豊作を祈願します

私が今日まで、心待ちにしていた祭りです。最終日20日の模様を撮影してきました。

春のトシゴイ祭り


 春祭りは、すでに鎮魂をすました神や精霊が現実に<発る(はる)>祭りで、神の出番を促す祭りである。宮中では、仲春24日(現在は217日)に「祈年祭(トシゴイマツリ)」が行われた。日本は五穀、中でも稲の成育祈願を国家祭祀として執り行ってきた。民間でも、田の神神事は正月早々から始まり、御田植祭や農耕神事などの耕田予祝の祭りが、春祭りとして全国各地で開催される。神楽・田楽・田舞い・獅子舞・風流としての各種芸能や相撲などが、祭りで奉納される。神社の例祭は、春と秋が多い。春の授福・予祝と秋の収穫感謝が中心だ。福岡県杷木穂坂の阿蘇神社で「泥打祭」がある。代宮司に泥を浴びせて、泥の付き具合で農作物の作柄を占う奇祭である。泥がハネ飛んでくるお祭りとして、宮崎県美郷町の「田代の御田祭」がある。若者が裸馬に跨り、神田を縦横無尽に駆け巡り、早乙女やウナリも登場する。ウナリ(宇奈利)といえば、「阿蘇と国造神社の御田祭」がある。神輿に乗った4人の祭神が、稲の生育状況を見て回るという豊作祈願の祭りである。阿蘇神社は、火山と農耕の神様である。春には「卯の祭り」が13日間あり、7日間を「田作り神事」と呼ぶ。国龍神の結婚を祝う「火振り神事」は、桜門を背景に炎の輪が幻想的だ。佐賀県神埼市櫛田宮で、2年に1度「みゆき大祭」がある。800年以上の歴史があり、肥前國神埼御庄総鎮守・九州の大祭と称され、1000人規模の大行列があったようだ。締元行列や狂言・太神楽等などの芸能が奉納される。